【重要】AWS RDS for MySQL 8.0 のサポート終了と今後の移行について考える
AWS RDS を使って MySQL を運用している方にとって、見逃せないアナウンスがありました。
Amazon RDS では、MySQL 8.0 系のサポートが 2026 年 7 月 31 日をもって終了することが正式に発表されました。
MySQL 8.0 サポート終了の背景
MySQL 本体の 8.0 系は Oracle により 2026 年 4 月に EOL(End of Life)となる予定です。
それに伴い、AWS も RDS での 8.0 系の提供を段階的に終了させていく流れです。
このようなサイクルは過去の MySQL バージョン(5.6, 5.7)と同様であり、セキュリティパッチや脆弱性対応の観点からも、早めのバージョン移行が求められます。
次期移行先:MySQL 8.4(LTS)
MySQL 8.4 は 2024 年に LTS(長期サポート)版としてリリースされました。
8.4 は 8.0 の後継であり、バージョン番号の飛びがあったことに違和感を持つ方もいるかもしれませんが、これは LTS の導入に伴う整備の一環です。
🎯 MySQL 8.4 の主な変更点(移行時の注意点)
認証方式のデフォルト
caching_sha2_password がデフォルト(8.0 から継続)
古い mysql_native_password は非推奨扱いに
廃止機能
いくつかの構文やステータス変数が削除・変更(SHOW PROFILE など)
セキュリティ
暗号化・TLS 関連機能の強化
パフォーマンス
一部クエリオプティマイザの改善、スレッドプールの最適化
特に認証方式は重要で、現在 mysql_native_password
を使っているアプリケーションがある場合、MySQL 8.4 への移行時に接続エラーとなる可能性があるため、事前に caching_sha2_password
への対応状況を確認しておく必要があります。
Aurora MySQL については?
現時点(2025年7月)では、AWS Aurora MySQL の最新バージョンも MySQL 8.0 をベースとしたエンジンです。
そのため、Aurora に関してはすぐに移行を検討する必要はありませんが、将来的には Aurora にも MySQL 8.4 ベースのエンジンが登場する可能性が極めて高いと考えられます。
Aurora は一般的に RDS よりも若干リリースのラグがありますが、MySQL 8.4 の LTS である以上、数年内に移行が求められるのは避けられないでしょう。
今後どう対応すべきか?
ここでは、主に Amazon RDS for MySQL を利用している方向けに、MySQL 8.4 への移行準備として検討すべきポイントを紹介します。
Aurora MySQL をお使いの方は、現時点での影響はありませんが、将来的なエンジンアップグレードに備え、同様の観点で準備を始めておくことをおすすめします。
✅ 今からできる移行準備:
mysql_native_password
を使っていないか確認する
→SELECT user, plugin FROM mysql.user;
で確認可能- MySQL 8.4 の検証環境を用意する
→ Docker や一時的な RDS インスタンスでテスト - アプリケーションの対応状況を調査する
→ ORM やドライバがcaching_sha2_password
をサポートしているか確認 - RDS バージョンアップのスケジュールを逆算する
→ 2026年7月のサポート終了に間に合わせるには、2025年中の移行検証が理想
まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
MySQL 8.0 のサポート | 2026年7月31日まで(RDS) |
次期バージョン | MySQL 8.4(LTS) |
移行の主な懸念 | 認証方式(mysql_native_password → caching_sha2_password )など |
Aurora の状況 | 現在は MySQL 8.0 ベース。将来的に 8.4 ベースも登場見込み |
RDS や Aurora を使って MySQL を運用している場合、この機会に今後の移行スケジュールを立てておくことを強くおすすめします。